Moonshine Blues/Bessie Smith 〜其の1〜
春眠、暁を覚えず・・・
とうまいこと言った昔の人の言葉に寄り添って扉を開けて、どうもこの季節は起きられなくて・・・
なんて不似合いなテレ笑いで言ったところでくすりともしない浮き世の約束達にうまい言い訳などこれ以上なく、
ただただ笑顔を引きつらせてさらには強張らせ、「さぁ、遅れた分頑張るぞ」と、
まだまだまどろんでいるだろうはずの身体に一喝入れてですねぇ・・・そう、そんなフリをする訳です・・・。
実は焦点を合わせたそのフリをした瞳の裏には、未だ寝巻き姿で上半身を起こし、春眠暁を覚えず!と一言。
そして、まだアイツの残香漂う布団の中のアトランティスにもう一度一目散。
最近購入した高級羽毛布団をはかなき盾にして誰にも見付かりようのない朝らしい朝を想い描いている訳だ・・・どうだ!
そう、根っこがどうも不真面目だってどやされっぱなしだけど、本当は大マジメにそいつと浮き世を、夢と現実を秤に架けたりもするんだよ。
少しだけひ弱な夜にね・・・。
ひ弱な夜なんていっている時点でどっちが重いかって答えは出尽くしている訳で、これまたしょうがない。
「もっと現実を見て」そう、その通り。 |